子どもが自然と勉強をする家

#06 子どもが自然と勉強をする家~勉強机は本当に必要なのか?~

4月に入り新入学のシーズンですね。最近の新入学の3種の神器はランドセル、学習机、そして防犯ブザーだそうです。昔に比べたらずいぶんと様変わりしたものです。今回は、中でも「置き場所に困っている」という方も多い”学習机”をピックアップ。実際に学習机を置いたというご家庭にもお話を伺ってきました。

今年、小学校入学を迎え、学習机を購入したご家庭も多いのではないでしょうか。積水ハウス総合研究所が行った「住まいにおける子どもの居どころ調査」の中で(出典:子育ち・子育てLab)、とても興味深いデータがありましたのでご紹介します。

出典:子育ち・子育てLab(積水ハウス)

上記、左のグラフは、学習机を与えた時期について調べたものです。実に80%の方が小学校入学時に購入したと答えています。私たちも入学シーズン前後には、チラシでも学習机をよく目にしますよね。右のグラフは学習机の設置場所について調べたもの。グラフを見ると、75%近くが”子ども部屋に置く”と回答しています。
では、お子さんは実際どこで勉強しているかというと・・・・なんと!上記のグラフと同様の機関で行った調査では、小学生の約70%以上がリビング・ダイニングで勉強していました!

出典:子育ち・子育てLab(積水ハウス)

この結果を見ると、学習机を置こうか考えてしまうところ。一方で、必要性を感じている方も多くいます。学習机を用意したという、あるご家庭にお話を伺ってみました。

札幌市清田区Tさんの場合

学習机を置いた場所:子ども部屋
今年小学3年になる息子さんと新入学されるお嬢さん、旦那さまの4人家族。
家を新築された際に子ども部屋を作り、入学と同時に学習机をそれぞれのお部屋へ置きました。

Q どうして机を子ども部屋に置いたのですか?

子どもはなかなか学習机周りをきちんと整理整頓してくれないので、リビングやダイニングに置くとお客さんが来たときなどに片付かなくなりそうだったから。

Q 学習面だけを考えたら自室に机を置いたメリットはありますか?

今は正直、リビングに勉強道具を持ってきて勉強しているので全くメリットはありません。子ども部屋は今は遊ぶための部屋としてとらえています。ただこれから成長して大きくなった時にはもう少し活用できるのではと思います。

札幌市北区Sさんの場合

学習机を置いた場所:ダイニングのそばに学習テーブルを作りつけで用意。
旦那さまと年中さんになる息子さんの3人家族。先日、完成したばかりの新築のお宅です。

Q 小学校にあがったときには学習机を購入する予定ですか?またどこに置く予定ですか?

学習机は購入して、子ども部屋に置こうと思います。造作した学習テーブルはあるけれど、学習机を与えることで、早くから自分の身の回りをしっかり管理することや、環境に惑わされず、自分のペースで勉強する習慣を身につけてられるのではと思っています。

Q 学習机を置いた後は、お子さんにはどこで勉強してもらいたいですか?

学習机を置いてもテスト勉強などでなければ、普段はリビングで勉強してもらいたいなと思っていす。会話をしながら質問にも答えてあげたいし、低学年までは特に何をどう勉強していいかわからないだろうから。まず決まった時間に机に座るという習慣から見守っていく必要があるのかなと思うので、目の届くリビング学習を出来るだけ続けてもらいたいですね。

ご紹介した2件のお宅では、学習机とリビングという場所を使い分けているようです。
学習机は子どもが勉強するときに最適である明るさや姿勢に配慮されて作られているということも、置く・置かないの判断の一つになるでしょう。もし置くとなれば、低学年のうちはリビングなどの目の届くところに机を置き、成長と共に机を移動できることが理想的ですね。ただ、リビングに相当のスペースが必要なので、家族団らんというリビングの本来の機能は低下してしまうかもしれません。

そこでこんな提案はいかがでしょう?

カラーボックスを利用してデスクスペースに!

学習机をリビングに置くのは難しくても、小さい机を置くことならできそうです。
カラーボックスなどを利用してデスクスペースを作れば、必要がなくなったときにまた解体して使えるので無駄もありません。これから家を建てようとされているなら、Sさんのようにテーブルを造作したり、家族で使えるような多目的エリアを作ってみてはいかがでしょう。
小さいうちはそこで家族の気配を感じながら勉強できますし、勉強机を子供部屋へ設置しておけば、子供が勉強に集中したい年齢になって部屋での勉強に切り替わったとしても、家族のコミュニケーションエリアとして活用していけるのではないでしょうか。

こうすることで、子どもが自然と勉強を始められる自然な流れが生まれます。
自然と子どもが勉強に取り組む家は、自然と家族がコミュニケーションをとれる家なのかもしれませんね。

Writing by やまみち(ママ住まサポーター1期生)