私のこだわり3「身長別、キッチンの選び方」

#29 身長別キッチンの選び方

機能やデザインが優先されがちなキッチンですが、実は「高さ」も使い勝手の大切な要素となります。例えばお料理や食器洗いをしていて腰が痛くなったり、使いにくいなと感じたことはありませんか?その場合は、ワークトップの高さがご自身の身長と合っていないのかも知れません。ということで、今回は、「身長」に焦点を当て、ママ住まサポーターの2人(それぞれ155㎝、165㎝)がリクシルショールームにお邪魔し、各々にピッタリなキッチンの選び方を、スタッフの方から伺ってきました。

【Special Thanks】

LIXIL札幌ショールーム
http://showroom-info.lixil.co.jp/hokkaido/sapporo/

札幌市東区北8条東10丁目1
TEL 011-748-8833 / FAX 011-748-7744
営業時間/午前10時~午後5時 
休館日/毎週水曜日(祝日の場合は営業)・夏期・年末年始
【地下鉄】東豊線東区役所前駅4番出口より 徒歩約15分
【バス】札幌駅北口より 中央バス[東63系統]または
    札幌駅前(東急前)より 中央バス[環88]サッポロビール園行
【タクシー】JR札幌駅北口より約8分
※コーディネーターによるご案内は、混雑時でもお待たせしない「来館予約」がおすすめです。ご予約はお電話でうけたまわります。

ママ住まサポーターよりショールームスタッフの方へ質問

Q1. そもそも、キッチンの標準高さはどれくらいなのでしょうか?

以前は80cmが主流でしたが、日本人の身長が伸びてきたこともあり、最近は85cm(160cm前後の方に合うサイズ)が主流になっています。メーカーにもよりますが、お好みの高さに対応できるように、80、85、90cmと5cm刻みで展開しているところが多いようです。
※更に、82.5cm、87.5cmの2.5cm間隔での対応が可能なものもあります。(2.5cm刻みの場合は別途料金がかかります)

Q2. 自分に合うサイズを簡単に見つける方法は?

計算式があります! 身長÷2+5cm
(ex.160cmの人の場合は、160÷2+5=85cm となります)

Q3. 今使っているキッチンが、サイズに合っていないようなのですが、
   作り変えるにはどのような方法がありますか?

キッチンを取り替える大きなチャンス(新築時、リフォーム時)を利用し、全面的に入れ替える方法。
高くしたいのであれば、下に土台をつけて上げる方法があり、比較的簡単な工事で済みます。
逆に、低くしたい場合はかなり大掛かりな工事になってしまいます。

ママ住まサポーターが実際に体感

165cm(松本)の場合→計算式では87.5cm
スリッパを履いた状態や、パパが使うことも加味すると、90cmが良さそうだと感じました。85cmが一般的な高さということで使いにくくはありませんが、ウォールキャビネットの扉を開けると頭がぶつかってしまいます。

90㎝の高さ・・・◎

85㎝の高さ・・・〇

70㎝のウォールキャビネット・・・△

155cm(高橋さん)の場合→計算式では82.5cm
90cmだと、見た目でも安定感に欠けるのが分かります。特にコンロに縦長の鍋などを置いた場合は鍋の中身が見えにくかったり、中をかき回す作業も大変です。硬いものを包丁で切る場合なども、力を入れづらくなってしまいます。逆に、80cmだと、色々な作業が楽にできますが、スリッパを履くと、82.5cmがベストサイズのようです。

90㎝の高さ・・・×

80㎝の高さ・・・△

82.5㎝の高さ・・・◎

身長別キッチンの選び方のポイント

「ライフスタイル」を考える。
キッチンを使うのはママが殆どなのか、それともパパがキッチンに入ることも多いか、また、子どもにお手伝いをたくさんしてもらいか等、各家庭でキッチンの使い方も異なります。よって、「誰がキッチンを良く使うのか」ということに合わせて、高さを決めると良いでしょう。

「機能」を考える。
「IH」や「食洗機」が付いているか等、機能によっても高さに影響が出ます。IHはワークトップの高さプラス鍋の高さが、鍋の口までの高さとなりますが、ガスコンロですと、五徳や脚の部分の高さをプラスして考えなくてはなりません。また、食器洗いは食洗機がやってくれるか否かで、キッチンでの洗い物の比重が大きく異なってきます。このような機能の有無も、高さを決めるポイントとなります。

機能1:昇降式キャビネットなら身長が低くてもOK!
軽い力でもラクラク。使う頻度が高いものを収納しても、いつでも簡単に取り出せます。

機能2:収納力&技あり収納で、整理整頓
とにかく物が多いので、収納力があるキッチンを重視したいという方や、まな板やタオルなど、置き場所に困るアイテムを賢く収納できる機能を充実させたい方にとっては機能も検討材料に。

【キッチンスペシャリスト阿部先生の解説】

キッチンの高さは 身長÷2+5㎝ ですが、実は

  • 洗い物をする時の高さ (シンクが20センチほど下になる)
  • 調理する時の高さ   (まな板の厚さが加わり 包丁をもつ)
  • 加熱調理する時の高さ (鍋の中を混ぜる、鍋の高さ ゴトクの高さ)

大きく分けると、この3つの作業によって快適な作業高さは異なります。ただ、3段階にキャビネットの高さを変える事はできないので、どこの作業での高さを優先させるかとなります。
身長÷2+5㎝ は、あくまで理想であり、動作空間からみると、実際は人によってプラスマイナス3センチを考えるとより使いやすい高さの設定になります。

まとめ

身長に合わない高さは、疲労の原因(低すぎる→腰が痛む、高すぎる→肩が凝る、等)にもなるということです。まずは自分のベストの高さを見積もり、ショールームで実際に立って、動作をしてみて、快適な高さを体感してみることが大切だと感じました。
実は今まで、自宅キッチンの高さを気にしたことがなかったのですが、改めて測ってみると、86cmでした(松本)。165cmの自分には、ちょっと低いかなと感じることもありますが、まずまずの使い心地です。今回の取材で高さに関する理解も深まり、将来キッチンをリフォームする機会があれば、90cmに上げてみても良いかな、と思っております。

サポーター/松本裕子
サポーター/高橋衣織
監修/阿部美子・キッチンスペシャリスト

専業主婦を経て二人の子どもを一人で育てながら 水廻りメーカーのアドバイザーとして約10年、従事。「キッチン」の奥深さと魅力に惹かれ、キッチンスペシャリスト資格、(社) 日本ライフスタイル協会北海道唯一のリビングスタイリスト講師、CS(顧客満足クレーム対応)スペシャリスト 日本実務能力開発協会認定コーチの資格取得。(社) 日本デザイン学会 鈴木 昇氏に師事。「Happyキッチン講座」「リビングスタイリスト講座」「キッチンお悩み相談室」を随時開催。「お悩み解決!ココロもスッキリ!快適なキッチンから始まる楽しい暮らし、家族の笑顔を応援します」をコンセプトに始業。ララプラスキッチン代表。