そこで最近話題なのが「近居」というスタイルです。
今回は究極の二世帯住宅とも思われる近居について特集したいと思います。
「近居」とは、住居は異なるものの、日常的な往来ができる範囲に居住することを指しています。国土交通省の調べでは2006年時点で、既婚者とその親との近居は約52%と多くの方が近居のスタイルを好んでいるようです。
では「近居」と「二世帯住宅」とはどう違うのでしょうか?
手がさしのべられる距離
子どもが急に具合が悪くなった、急用で数十分だけ出かけなくてはいけない、そんなときでも近居ならすぐに助けの手をさしのべることができるのがいいところです。ただ急に雨が降ってきても洗濯物をとりこんでおくことはできない。二世帯住宅との違いは手の差し伸べられる距離の違いということです。
では実際に市内の二世帯住宅に住むI様邸のお宅を見て見ましょう。
家族構成
ご主人・奥様・お子様(5歳と1歳の男の子)の4人家族。奥様のご両親との二世帯住宅で、奥様はお仕事もお持ちの働くママです。
こちらのお宅はもともとご両親のお宅があった土地に玄関横の廊下とバルコニーで2棟をつないだ状態の二世帯住宅です。まさに近居を兼ねた二世帯住宅というわけです。
上の息子が1歳になる前にちょうど実家の建てかえ時期と重なったので。当初は2棟を別々で建てようと思ったけれど、二世帯にしたほうが建築費が得だったことと、結局行き来することになるだろうとも思い、最終的には主人が家同士をくっつけたら?と言ってくれたので二世帯にしました。
上下での二世帯だとどうしても空間の共有が曖昧になりそうな気がして、やっぱりプライベートをお互いに確保したいと思ったので。生活音が別であってほしいと思ったこともこのようなタイプになった理由のひとつです。親も同意見で賛成してくれました。
メリットは旦那さんが遅い時の育児の手伝いをしてもらえることが一番です。たまに親世帯との生活リズムの違いを感じることはありますが・・・。 デメリットを感じることは特にありませんが、しいて言えば実妹が実家である両親宅へ来にくいのでは?ということと1棟分の敷地に2棟が建っているので、通常分譲されている一軒家に比べると多少狭さを感じることくらいです。
そうですね。
でもメーカーさんに提案されて室内にも物干しをつけてもらいました。小さな布団も干せるし、使わないときはしまえるのでとっても便利です。
光熱費などはすべて別で請求がきます。固定資産税だけは1棟としての取り扱いなので、土地は両親に建物分は自分たちで、と取り決めて支払っています。
鍵はメーカーの方がどうするか聞いてきたので一応つけましたが、ほとんど鍵をかけることはありません。ドアは通常閉めていますが、子供は勝手に開けて入っていきます。でも大人が勝手に入っていくことも入ってくることもほとんどありません。特に親はノックして入ってくるくらいなので、鍵は全く必要ないんです(笑)
こんなに素敵な近居型二世帯住宅なら二世帯のメリットもあって、近居のプライベートも感じられて一石二鳥ですね。
ですが、ご主人にとってはお隣に住むのは義両親。実際の気持ちはどうなんでしょう?
抵抗というか「奥さんの負担が減れば、自分の負担も減る」って思ったんですよね。自分の普通が嫁の実家の普通と違っていたりしますから。住んでみてもう数年経ちますが、未だに一応気は使っていますよ。でも建てる時点ですでに想定してましたから。すべて想定内ですよ(笑)自分の親も近くに住んでいますし、自分の親同様に嫁の親も近くで見ないと・・・という思いがありますね。
こんなに奥さま思いの素敵なご主人だからこその快適な二世帯なのかもしれませんね!
では最後に二世帯住宅を考えている人へのアドバイスを!
近居も同居も最終的にはお互いに必要以上に手を差し伸べないことが成功のカギのでは?と感じました。
あなたもこんな近居型二世帯住宅、住んでみたくなりましたか?
参考資料:
Writing by やまみち