インテリアのイメージを決定するモノはなんでしょう?
棚の上の飾り物や壁に掛けた絵の方が大きな家具類よりもイメージを強く感じますね。それではさらにそれらの外側にあるお部屋の床や壁はどうでしょう?それらはBACK-GROUNDS(バックグラウンド)、あくまでも背景なのです。
でもそれらは、はっきりしたイメージを決定するものにはなりませんがイメージの方向を決める大切なエレメントです。特に最近、床の木フローリングには高い関心が感じられます。
住宅のインテリアにも流行があり、少し前は、例えば広葉樹のビーチ材(ブナ)やバーチ材(カバ)といった木目の少ない樹種が好まれて、インテリアは明るく軽快なイメージが主流でした。その後ダークブラウンを基調としたインテリアでウォールナット材(クルミ)やホワイト色に色が付けられたもの、などといったモノトーン系に移ってきました。さらに最近は、明るい・暗いにかかわらず木目にこだわった方が増えています。
フローリングは、無垢フロアか合板フロアかの大きくは2つに分けられますが、無垢のフローリングといっても高級樹木ばかりではなく、住宅の構造に使用する材料を好みの色に塗装する方法もあります。床も家族と一緒に思い出を刻み込むというわけで多少のキズやシミには目をつぶらなければなりません。
逆に合板フロアの中には木目を印刷した化粧シートを貼ったものがあり、無垢板のようなばらつきがなく美しい木目が均一に出ます。フローリングのメーカーはお客様の好みに対応して様々なカラーで対応しています。しかもワックスフリーの商品が主流です。
通常住宅を建てる際は家具や飾り物よりも先に床や壁の材料を決めていきますので、イメージの方向性は早めに決めておきたいですね。
どんな家具を置きたいかという事からインテリア作りを始めるのがいい方法です。
インテリア雑誌のグラビアを見て好きなインテリアを探して下さい。
プロフィール
川岸 敦子 / 二級建築士
短大卒業後、コンビニエンスストア本部に入社。インテリアの仕事をめざして退社後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー小樽校に入学。インテリア関連の会社を経て1991年に独立。母校にて、コーディネーションの講師を務めながら、戸建住宅、マンション、ホテル等のインテリアデザインの仕事に従事し、1997年インテリアデザイン会社 有限会社ブランを設立。住宅、マンションのモデルルーム、医療関係のインテリア等に携わる2001年 二級建築士を取得。小学3年生の子どもを持つ母親でもある。
イントロダクション
昨年末、事務所の引越しをしました。11年間ため込んだ、物・物・物の数々を整理しながら、次の場所では自分の為に空間を作ろうと決めました。一番最初に考えたのは、仕事をする時の”ここち良さ”。機能性はもちろん、美しさを前提に。インテリアという自分の仕事を見詰め直す、いい機会でした。このコラムでは、皆さんと一緒に”ここち良さ”を考えて行きたいと思います。