第11回 窓の変化とカーテン

最近の住宅の外観は窓に変化を持たせた建築が多くなってきています。大きな窓を付ける事ができる壁面には、1階の床から2階の天井までの大きな窓や壁いっぱいの窓をはめ込んで、家の奥まで光りが行き渡るようにしたり、そうかと思うと30cm角程の窓がポツリと付いていたりと、窓の表情で建築のデザインが決まってきているとも言えます。
窓が取りついている位置も低かったり(地窓)天井際だったり(ハイサイドライト)と様々。昔は一間の腰窓とか一間半のベランダ窓とか決まった大きさがありましたが(今もありますが・・・)そういう既製の寸法はどこかに行ってしまったようですね。このように窓が大きいということは、家の中に外を取り入れたいという意味合いになり、日中もカーテンなどをせず、オープンにするということになります。でも現実には丸見えはちょっと困りますね。

建築の窓が大きく変化すると、家の中に付けるカーテンにも変化が起こってきます。普通のヒダのあるカーテンはごく一部で、今はほとんどがロールスクリーンのような壁と一体感のあるものになってきました。
ヨコ型のブラインドも羽巾の広い(5㎝)だと意匠性がありとてもダイナミックになります。
庭に面するような大きな窓にはタテ型ブラインドというものも多く使われるようになっています。

羽巾5cmのヨコ型ブラインド

右側奥がタテ型ブラインド


川岸 敦子

プロフィール
川岸 敦子 / 二級建築士

短大卒業後、コンビニエンスストア本部に入社。インテリアの仕事をめざして退社後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー小樽校に入学。インテリア関連の会社を経て1991年に独立。母校にて、コーディネーションの講師を務めながら、戸建住宅、マンション、ホテル等のインテリアデザインの仕事に従事し、1997年インテリアデザイン会社 有限会社ブランを設立。住宅、マンションのモデルルーム、医療関係のインテリア等に携わる2001年 二級建築士を取得。小学3年生の子どもを持つ母親でもある。

イントロダクション
昨年末、事務所の引越しをしました。11年間ため込んだ、物・物・物の数々を整理しながら、次の場所では自分の為に空間を作ろうと決めました。一番最初に考えたのは、仕事をする時の”ここち良さ”。機能性はもちろん、美しさを前提に。インテリアという自分の仕事を見詰め直す、いい機会でした。このコラムでは、皆さんと一緒に”ここち良さ”を考えて行きたいと思います。