私の記憶では自宅のインテリアにタイルが張ってあったのは、お風呂とトイレと台所。トイレには丸くて色々な色と大きさのタイルが床に敷き詰められていました。
今の住宅というとお風呂はユニットバス、トイレの床はクッションフロア、キッチンの壁はキッチンパネルというようにお手入れ重視に徹しています。確かにお手入れは簡単な方がいいですよね。だけどちょっとだけタイルを張るお施主さまが増えて来ました。
タイルはほとんどが磁器質タイルですが、中には陶器質・せっ器質の物もあり、最近ガラスモザイクというきれいなガラスのタイルも人気です。色やデザインもさまざまで、木目の模様や布に似せた物、タイルなのに畳の模様の物まであります。 四角いタイルばかりではなく、小さい粒のモザイクタイルやアクセントボーダータイルなど使う場所のイメージが広がります。
写真のようにトイレのカウンター面に使ったり、洗面所に使ったりするのは、少ない面積で効果が大きいでしょう。ポイントはタイルを張った面を近くで見る事ができる。という事です。居間などの広い面に張りつめても他の壁と同化してしまい効果は半減します。
壁のニッチ(くぼみ)の奥の面に張ってみるのもいいでしょう。床の間のある方は床の間の奥の面も面白い空間になりそうです。
自分で張る事ができるのもタイルの魅力です。
参考にして下さい。
左写真
巾60cm×高さ2m40cm(住宅の天井高)にモザイクタイルを張った場合、材料費は17,000円ほどです。
(タイルと接着剤と目地を埋めるのであれば目地材が必要)
プロフィール
川岸 敦子 / 二級建築士
短大卒業後、コンビニエンスストア本部に入社。インテリアの仕事をめざして退社後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー小樽校に入学。インテリア関連の会社を経て1991年に独立。母校にて、コーディネーションの講師を務めながら、戸建住宅、マンション、ホテル等のインテリアデザインの仕事に従事し、1997年インテリアデザイン会社 有限会社ブランを設立。住宅、マンションのモデルルーム、医療関係のインテリア等に携わる2001年 二級建築士を取得。小学3年生の子どもを持つ母親でもある。
イントロダクション
昨年末、事務所の引越しをしました。11年間ため込んだ、物・物・物の数々を整理しながら、次の場所では自分の為に空間を作ろうと決めました。一番最初に考えたのは、仕事をする時の”ここち良さ”。機能性はもちろん、美しさを前提に。インテリアという自分の仕事を見詰め直す、いい機会でした。このコラムでは、皆さんと一緒に”ここち良さ”を考えて行きたいと思います。