第19回 機能性壁紙

加湿器や除湿器、空気清浄機や香りを出すディフューザーなど今、生活環境についての電化製品が数多く販売されています。それだけみなさんが’空気’に気を使っているというわけです。「臭気判定士」という国家資格もあるそうでおどろきました。住宅の壁紙もそんなみなさんのご希望に沿えそうな製品が開発されており、年々その数は増しています。

機能性壁紙は大きく’室内環境を整える壁紙’と’汚れやキズを防止する壁紙’の2つに大別されます。
室内環境に役立ちそうなのは「消臭・抗菌」です。ペット臭や長年の生活臭などとくにリフォームの時などにはおすすめです。
またリラックス効果が期待できそうな「マイナスイオン壁紙」があります。壁紙の表面に天然の鉱石を配合したもので、くつろぎたいリビングルームや子供の勉強部屋にはいかがでしょうか?そのほか、親水性高分子ポリマー(おむつに使われています)が働く「調湿壁紙」、また「抗ウイルス壁紙」などもあります。


次に「汚れ防止壁紙」ですが壁紙に「エバーフィルム」という抗菌性のフィルムが加工してあり、特に汚れの気になるキッチンやトイレにおすすめです。水拭きや中性洗剤以外にもしつこい汚れにはアルコール(消毒用)の使用も可能です。
キズや衝撃に強い壁紙は「耐久性壁紙」です。汚れ防止壁紙と同じ抗菌フィルムを加工してあり、キズに強いばかりではなく抗菌性にも効果があります。
耐久性壁紙はやはりペットに効果を発揮するでしょう。引っかきキズに対しては一般壁紙の10倍の強さがあるとされています。


施工面では汚れ防止や耐久性壁紙は一般の壁紙よりも表面が固い為に継ぎ目が目立ちやすいという点があることを頭の隅に入れておいて下さい。

川岸 敦子

プロフィール
川岸 敦子 / 二級建築士

短大卒業後、コンビニエンスストア本部に入社。インテリアの仕事をめざして退社後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー小樽校に入学。インテリア関連の会社を経て1991年に独立。母校にて、コーディネーションの講師を務めながら、戸建住宅、マンション、ホテル等のインテリアデザインの仕事に従事し、1997年インテリアデザイン会社 有限会社ブランを設立。住宅、マンションのモデルルーム、医療関係のインテリア等に携わる2001年 二級建築士を取得。小学3年生の子どもを持つ母親でもある。

イントロダクション
昨年末、事務所の引越しをしました。11年間ため込んだ、物・物・物の数々を整理しながら、次の場所では自分の為に空間を作ろうと決めました。一番最初に考えたのは、仕事をする時の”ここち良さ”。機能性はもちろん、美しさを前提に。インテリアという自分の仕事を見詰め直す、いい機会でした。このコラムでは、皆さんと一緒に”ここち良さ”を考えて行きたいと思います。