第23回 インテリアミラー

鏡は身だしなみの為に使うものとインテリアを仕上げる為に使うものと2種類の使い方に分かれます。『鏡を使うと部屋が広く見える』とよく言いますが、実際に一般の家庭の中にその効果をねらって取り付けられた鏡がどれほどあるでしょうか。今回は化粧台以外のミラーの使い方のバリエーションを考えてみたいと思います。

まず、何と言ってもインテリアにおいてミラーはキラキラとして美しい素材です。
よく海外のインテリアではマントルピースの上に肖像画などの絵を掛ける代わりに、豪華な四方枠の付いた鏡が飾られているのを見ます。鏡は家の中心にある立派な飾りにもなるのです。

左の写真は正面の大きな面に対して直角に交わっている左側の柱のように見えている壁にクリアミラー(普通の鏡)が使われています。このようにコーナーに使う事によって正面のタイル張りの壁がどこまでも連続して見えて来ます。これが『鏡を使うと部屋が広く見える』という事になるのです。

右の写真は飾り棚の奥にミラーを使っています。ここで使用したミラーはクリアミラーではなくて、グレーのミラーです。手前の置物がはっきりと写らず影のようになっています。書斎のように落ち着いた雰囲気が必要なところにはこのようなグレーのミラーが似合うでしょう。デスクのまえの柱型にも同じグレーのミラーを使っています。

ミラーはそのまま枠をつけないで使うとシンプルでシャープなイメージになりますが、ナチュラルなやさしいムードで使いたい時には枠を付けた方がいいでしょう。
もうすでに洗面台に付いているシャープなミラーのイメージを変えたいと思っている方には、ガラスフィルムやステッカーがおすすめです。気分を変えて自分流の洗面化粧台を作ってみましょう。

川岸 敦子

プロフィール
川岸 敦子 / 二級建築士

短大卒業後、コンビニエンスストア本部に入社。インテリアの仕事をめざして退社後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー小樽校に入学。インテリア関連の会社を経て1991年に独立。母校にて、コーディネーションの講師を務めながら、戸建住宅、マンション、ホテル等のインテリアデザインの仕事に従事し、1997年インテリアデザイン会社 有限会社ブランを設立。住宅、マンションのモデルルーム、医療関係のインテリア等に携わる2001年 二級建築士を取得。小学3年生の子どもを持つ母親でもある。

イントロダクション
昨年末、事務所の引越しをしました。11年間ため込んだ、物・物・物の数々を整理しながら、次の場所では自分の為に空間を作ろうと決めました。一番最初に考えたのは、仕事をする時の”ここち良さ”。機能性はもちろん、美しさを前提に。インテリアという自分の仕事を見詰め直す、いい機会でした。このコラムでは、皆さんと一緒に”ここち良さ”を考えて行きたいと思います。