第6回 「ボージョレ・ヌーヴォー」の季節

冬の到来を告げる雪が札幌にも降り、日増しに寒さが身にしみるようになってきました。が、ワインにとっては非常にホットな季節。いよいよボージョレ・ヌーヴォー解禁です。今年のボージョレは理想的な天候に恵まれ、果実味が凝縮されており、とても良い出来です。皆様はもうお試しになりましたか?ブドウの収穫を祝うお祭りの意味合いも兼ねているので、ご自宅でもイベント感を持たせて、Happyな雰囲気で楽しんでみてはいかがですか?

まず始めに、ボージョレ・ヌーヴォーの豆知識として、いくつかのポイントをまとめてみました。

ボージョレ・ヌーヴォーとは、フランスのブルゴーニュ地方南部、ボージョレ地区で生産されるヌーヴォー(Nouveau:新酒)のことです。ラベルには、「ボージョレ・ヌーヴォー」と、「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー」と2種類ありますが、ボージョレ地区の中でも、より良質なブドウが取れる特定の畑が法律で指定されており、「ボージョレ・ヴィラージュ」と名乗ることが出来ます。ちなみにヴィラージュとは、「村」という意味です。

解禁日は法律で決められており、毎年、11月の第三木曜日とされています。その年のワインの出来の良し悪しを測る、指標とされることもあります。ボージョレだけでなく、ワインの産地の至るところで、新酒のお祝いは行われています。(例えばイタリアの「ヴィーノ・ノヴェッロ」など)

ワインは、ブドウを収穫した後、絞って、発酵させ、更に熟成させて…と手順を踏み、世に出るまでに年をまたぐのが一般的ですが、ボージョレ・ヌーヴォーは、MC(マセラシオン・カルボニック)という特別な方法でブドウを発酵させ、超特急でワインに仕立て上げています。渋みや苦味の少ない、フレッシュで、軽快なワインに仕上がります。

使われている品種はガメイ(赤)です。きれいなルビー色、そしてイチゴのような香りが特徴です。飲む前に、色や香りも是非楽しんでみてください。軽く冷やして飲むのがお勧めです。フレッシュさが魅力ですので、購入したら、せいぜい2~3ヶ月以内の、早いうちに飲んでしまうのがよいでしょう。

ボトルのご紹介

左<Georges Dubœuf  Beaujolais Nouveau 2011:ジョルジュ・ドュブッフ ボージョレ・ヌーヴォー>
ジョルジュ・ドュブッフ氏は、地方の地酒であったボージョレ・ヌーヴォーを、一代で世界に広めた人物です。ボージョレ・ヌーヴォーの代表的な一本といえます。ポップなラベルに見覚えのある方も多いのでは?!

中<Domaine Christian Ducroux  Beaujolais Villages Nouveau 2011:ドメーヌ・クリスチャン・ドュクリュー ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー>
ブドウはビオ農法によって栽培されています。手間を惜しまず、質を重視した贅沢なつくりによって生まれた、ワンランク上のボージョレです。

右<Giles de Lamoire Beaujolais Villages Nouveau 2011:
ジル・ド・ラモア ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー>

ワインのクウォリティーはもちろんのこと、ゴージャスなゴールドのボトルがパーティーシーンを盛り上げてくれます。

料理

フレッシュで軽快、初心者の方でも飲みやすく、親しみやすいのがボージョレの魅力です。合わせるお料理も、軽めの肉料理や、カジュアルに楽しめるものがお勧めです。例えば、「ピザ」。トッピングのチーズやサラミはワインによく合いますし、お子様と一緒に、手作りピザに挑戦してみるのも良いですね。最近ではお手軽に作る為の、便利なピザキットもいろいろ出ていますよ!



<サラミのピザ>
大人用には、サラミのピザがお勧めです。サラミはワインに合わせる”お手軽”おつまみの、定番中の定番です。凝縮させた豚の旨みは、特に赤ワインと相性が抜群ですので、是非トッピングに加えてみて下さい。



<くまちゃんのピザ>
子供には、好みの形に作ったピザを。こちらはくまちゃんのピザです。目と鼻にウインナー、耳と口にピーマン、頬にはミニトマトを使用しています。子供と摘んだ野の花を飾って、ぶどうジュースで一緒に乾杯しましょう。



<ピクルス>
瓶(缶)詰は、長期保存がきき、常備しておけばいつでも楽しめる、お手軽ワインのお供です。こちらは、洞爺湖町にある、「レイクヒル・ファーム」のもの。ヤギのかわいらしさが引き立つ様に並べてみました。



<まな板>
このまな板はオリーブの樹のものです。実用と見た目を兼ねる優れもので、サラミ、チーズやブレッド、ドライフルーツを盛る際にも重宝しています。ワインのあるテーブルに良く合うと思いませんか?我が家ではピザを作ったときに、よくお皿代わりに使います。


それでは、ワイン日和の晩秋の一日を味わってみてください。

松本 裕子

プロフィール
松本 裕子 / ソムリエ、食育インストラクター

国内大手航空会社にて国際線客室乗務員として約10年サービスにあたる。(社)ソムリエ協会認定ソムリエ資格取得。東京の田中伶子クッキングスクールで学び、全国料理学校協会教員資格、及びNPO食育インストラクター資格を取得。海外ステイやオフを利用し、各国のお料理教室(フィレンツェ、バンコク、ホーチミン)やお花、お菓子教室(パリ)に参加。2010年より札幌在住。双子の母。

イントロダクション
ワインは、相性の良い料理と組み合わせることによって、そのどちらも美味しくする相乗作用があるだけでなく、脚の長いグラスに注がれた佇まいが美しく、女性にとても似合うお酒です。小さなお子様をお持ちの方でも、気軽にワインを食卓に取り入れていただける様に「食材やワインは身近なお店で手に入るもの」とし、簡単に「おうちワイン」を楽しむ参考になればと思います。