江戸時代、奢侈を禁じられた町人たちは『四十八茶百鼠』と呼ばれるほどに茶色や灰色のニュアンスを楽しみました。今日は、インテリアや建具など、住まいに欠かせない茶色のお話です。
床材や壁材、建具や家具と、家づくりに「木」は欠かせません。
この「木」の部分の色を揃えるといいですよ――
とインテリアの本などにはよく書かれていますが、立てつけの家具でもないと、なかなか色を揃えるのは難しいもの。「アイボリー」も「ブラウン」も、メーカーによって色が違ってしまいます。
明るさや色味、色を揃えると言っても様々な項目があります。
今回は茶色を、2種類に分けてみたいと思います。
『赤みを帯びた茶色』と『黄みを帯びた茶色』の2種類です。
ほとんどの茶色は基本的に『黄みを帯びた茶色』ですが、少数派ながら『赤みを帯びた茶色』も存在します。メーカーによりますが「チェリー」「マホガニー」のような名前がついている色名には注意が必要です。赤みの茶色を言葉で説明すると、「紅茶の色」で、明るめの色だと「ミルクティーのような色」になります。 赤みや黄みがそろっていないと、明るさを揃えてもちょっとちぐはぐな印象になることがあるので、意識してみると茶色を選ぶ時の基準が増えるので、是非参考にしてみて下さい。
この茶色選びが役立つのが、ヘアカラーの時です。「なんとなく明るい茶色にするとあか抜けない」というお悩みをお持ちの方の中には、『黄みの茶色』が苦手な方が多いです。そういう方は、『赤み』にチャレンジしていただきたいです。鮮やかすぎると上品さが損なわれますので、深めの落ち着いた色の中で選んでみてはいかがでしょうか?茶色のバリエーションもいろいろです。是非『赤み』と『黄み』を比べて、活用する場所の多い茶色選び、楽しんでいただければと思います。
プロフィール
アズマ レイコ / カラーコーディネーター
2003年に函館でカラーサロンをオープン。パーソナルカラー・パーソナルスタイル診断の他、色彩心理のセミナー、講座を開講。結婚後の転勤で、2007年から札幌での活動を始める。『HappyColorLife』主催。AFT1級カラーコーディネーター。2児の母。
イントロダクション
色彩の知識を、楽しく!わかりやすく!使える形で!お伝えすることをモットーにカラーコーディネーターとして活動しています。色彩は生活に密着した、生活を彩る要素です。このコラムでは、生活に役立つ色彩のマメ知識をお届けできればと思っています。楽しく賢く色彩のパワーを利用してみましょう!