第23回 チーズとワインのおいしい関係

ワインとの相性は抜群、栄養価が高くお肌にも良いという優秀食材、「チーズ」。
日本では、ごはん、味噌汁、漬物の組み合わせは定番中の定番ですが、フランスやイタリアなどヨーロッパの国々では、チーズ、ワイン、パンが食生活においては欠かせないものとなっています。

<チーズの主な種類>

チーズには様々なタイプがありますが、主なものをまとめてみました。

  • フレッシュ・・・熟成をほとんどさせないため、淡白で食べやすい。モツァレラ等。
  • 白カビ・・・表面は白カビで覆われており、中はクリーミー。カマンベール等。
  • 青カビ・・・チーズの内部から青かびによって熟成させる。塩分、独特のクセがある。ゴルゴンゾーラ等。
  • ウォッシュ・・・表面を塩水や地酒で洗いながら熟成させる。オレンジ色の表皮は香りが強く、中はクリーミー。モンドール等。
  • ハード・セミハード・・・水分を抜いて硬く作られる。うま味やコクが凝縮。コンテ等。
  • シェーブル・・・山羊のミルクから作られる。特有の酸味と溶けるような食感が特徴。

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様々なタイプのこちらのチーズは全てAnge de Fromageのもの
左上より時計周りで朱太(ハードタイプ)、熱を入れて食べても美味しいふらいぱん(パスタフィラータタイプ:お湯の中でカードをこねて造られる)、リヴィエール ルージュ(ウォッシュタイプ)、リヴィエール ブラン(白カビタイプ)、ねっぷ(セミハードタイプ)、黒松内のモッツァレラ(パスタフィラータタイプ)。

㈱アンジュ・ド・フロマージュ
清らかな大自然のもと、黒松内産の良質なミルクを使用し、熟練職人の技術で丁寧にチーズ作りを行なっています。

<ワインとの合わせ方>

チーズの産地と同じ地方のワインがよく合うとされていますが、味のタイプと合わせる場合もあります。

  • フレッシュタイプ     → 軽くてフルーティーな辛口白
  • 白カビタイプ       → 軽め~中、重の赤全般
  • 青カビタイプ       → 甘口白、力強い上質赤
  • ウォッシュタイプ     → コクがある上質赤
  • ハード・セミハードタイプ → 辛口白~ロゼ、赤
  • シェーブルタイプ     → 軽くフルーティーな白、ロゼ、重過ぎない赤

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今回一緒に合わせたワインはオーストリア産のピノ・ノワール種です。

<チーズを美味しくいただくためのポイント>

マットな黒皿に数種類を少しずつ盛り付けると、チーズの個性が引き、見栄えが良くなります。いただく30分くらい前には常温に戻し、食べごろの状態にしておくことがポイントです。また、チーズの中心部と外皮部が均等に入るよう、切り分け方にも注意が必要です。パン(おすすめはクルミ入りパン)を添えると、より美味しくいただけます。ドライフルーツやハチミツ、ジャム等と合わせることもあります。

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北海道では、上記のAnge de Fromageさんのように、製法にこだわった良質なチーズがたくさん生産されています。フレッシュタイプ以外は日持ちするので冷蔵庫にストックしておけば、おつまみやお料理にも使えますし、子供のおやつにもおすすめです!

松本 裕子

プロフィール
松本 裕子 / ソムリエ、食育インストラクター

国内大手航空会社にて国際線客室乗務員として約10年サービスにあたる。(社)ソムリエ協会認定ソムリエ資格取得。東京の田中伶子クッキングスクールで学び、全国料理学校協会教員資格、及びNPO食育インストラクター資格を取得。海外ステイやオフを利用し、各国のお料理教室(フィレンツェ、バンコク、ホーチミン)やお花、お菓子教室(パリ)に参加。2010年より札幌在住。双子の母。

イントロダクション
ワインは、相性の良い料理と組み合わせることによって、そのどちらも美味しくする相乗作用があるだけでなく、脚の長いグラスに注がれた佇まいが美しく、女性にとても似合うお酒です。小さなお子様をお持ちの方でも、気軽にワインを食卓に取り入れていただける様に「食材やワインは身近なお店で手に入るもの」とし、簡単に「おうちワイン」を楽しむ参考になればと思います。