札幌はまだ雪が降っているのに、本州では桜が開花しました。季節は2ヶ月ほど本州の方が先行しています。年があけると、いく(いちがつ)にげる(にがつ)さる(さんがつ)と言われるように、三ヶ月はあっという間に過ぎて春はもうすぐやってきます。
進学や就職、結婚など、4月は人生の転機となるスタートです。
そんなとき、頂き物も増えて、年末に片付けたはずの空間が、そろそろリバンドしはじめる時期でもあります。
ものを必要以上に増やさないためには
この3点を、わたしは提案しています。
たとえば、ただで頂く景品や粗品、きれいな包装紙や箱など、また、シールをためて、手にいれたというお皿やカップなど、中途半端に揃っていない食器類。思い込みや、しがらみ、お得感などで、生活の中で必要ではない食器や花器や箱などが場所を占領してしまいます。
心当たりはありませんか。
「いつか使える」「何かに使う」なんて、思い込んでいませんか。
「いつか」と「なんか」は、なかなか来ないものです。
キッチン空間では、あまり使う頻度がないものを集めて1カ所に収納することを「集中収納」、使うものを使う場所に収納することを「分散収納」として考えます。たとえば、分散収納とは包丁やまな板、ボールやザルはシンク周りに、調味料やフライパン等はコンロ近くにという具合です。
使用頻度の高いものもあまり使わないものも混在して、本来使うべき場所より遠くに置いてあるなんてことはありませんか。自分の身長を中心に、肩の高さ(身長×0.8)はものを取り出すのにちょうどいい高さです。この高さ(垂直作業域)でさらに動線上(水平作業域)に分散収納されていると、動きやすく作業効率が上がります。
キッチン空間では、限られたスペースにキッチン本体や食器棚や冷蔵庫が配置されてその中で家電の収納も行うので、使わないものまで収納してしまうとスペースはパンクしてしまいます。そこで必要な食器の数量はセットごとに把握しましよう。
本当に必要なものの数を把握するためには、毎日三食のメニューで使った食器や鍋を書き出してみるとほとんど同じものしか使っていないことがわかります。
家族の人数分をかけると一家の最低限必要な食器の数になります。調理ツールは、ザルやボールも、大・中・小のものが1セットあれば充分ですし、重ねて収納できるとスペースもとりません。
また、兼用して利用できるものを選ぶことも省スペースになります。この写真は菜箸の先に被せてスパチュラになるものです。おろし金とスプーンがひとつになったものも出ていますね。
必要なものを把握して、使わないものは思い切って捨てる、そして兼用できるものを選択することがコツです。なにかを買い足すときは、何かを捨ててから買い足すように心がけるだけでも、必要なものを見分ける目を養い無駄な衝動買いにも歯止めになります。
ものを無駄に増やさないために、まず ①把握して ②適材適所に収納し ③購入するときはお得感を捨てる、このサイクルを徹底することは、キッチン空間での動線や作業の効率化につながって身体的負担も軽減されます。
収納は収納だけにとどまらず、キッチン空間の動線や時短にも大きく影響してくるのです。
本格的なお花見の季節を向える前に、キッチン空間も整理して新しい気分でココロもスッキリ!スタートしませんか。
プロフィール
阿部 美子 / キッチンスペシャリスト
専業主婦を経て二人の子どもを一人で育てながら 水廻りメーカーのアドバイザーとして約10年、従事。「キッチン」の奥深さと魅力に惹かれ、キッチンスペシャリスト資格、(社) 日本ライフスタイル協会北海道唯一のリビングスタイリスト講師、CS(顧客満足クレーム対応)スペシャリスト 日本実務能力開発協会認定コーチの資格取得。(社) 日本デザイン学会 鈴木 昇氏に師事。「Happyキッチン講座」「リビングスタイリスト講座」「キッチンお悩み相談室」を随時開催。「お悩み解決!ココロもスッキリ!快適なキッチンから始まる楽しい暮らし、家族の笑顔を応援します」をコンセプトに始業。ララプラスキッチン代表。
イントロダクション
毎日つかうキッチン空間だからこそ気持ちよく心地よい空間でありたい。おかあさんのニコニコした顔から家族の安心が生まれます。おかあさんがいつもルンルン♪お料理をつくってルンルン♪おかたづけができる、そんな暮らしのヒントを女性のミカタ(味方&見方)で お伝えします。→Blog「キッチンアドバイザーのミセスのミカタ」