第5回 「落ちつく」色

「オススメ」な色

「リビングのカーテンの色のオススメは?」「テーブルクロスの色のオススメは?」など、時々ご質問をいただくことがあります。

リビングのカーテンによい色、といっても、その方がリビングでどんな生活をされているのかにもよりますし、テーブルクロスにどんな効果を期待しているのかにもよりますので、一概に「リビングなら赤!」というような解答があるわけではありません

ご家族での会話が弾むようなリビングにしたいのか。
お1人でゆっくり寛げるようなリビングにしたいのか。
夜しか家にいないのか、一日のほとんどを過ごすのか。

ライフスタイルによって、色に期待するものは変わりますので、「オススメ」の色も、まずは「リビングでこんな風に過ごしたい!」というビジョンありき、なのです。

「落ちつく」寒色

インテリアのカラーの本などではよく「落ちつく色」として寒色系の色が挙げられることが多いようです。

たしかに、青い色はセロトニンの分泌を促し、リラックスさせる効果があります。寝室などに勧められていることが多いように思います。

ただ、寒色、というだけあって体感温度に影響がありますので、北海道の冬場の寝室や、お風呂場などには、あまりオススメしにくいという一面もあります。

寝室も、ゆっくりベッドで本を読むのか、寝室に入るなり寝てしまうだけなのか、というライフスタイルにもよりますので「寝室には青」というのも、必ずしも正解とは言い切れない部分があります。

誰もが「落ちつく」色

必ずしも100%ではありませんが、「落ちつく」と言う点で万能選手なのは「木」の色です。
あるいは、「土」の色のようなブラウン系のカラーです。

やはり人間のDNAに組み込まれた「木」「土」といった自然のエレメントの色というのは、人の心を安心させるものです。

家に求める機能は、それぞれ違うと思いますが、「安全」「安心」をイメージさせる「木」「土」の色というのは、その空間をリラックスするに相応しい場所、と感じさせてくれるはずです。

面積が大きくても、ブラウン系の「木」や「土」のような自然なカラーは圧迫感を感じにくいものです。
また、観葉植物などがプラスされると、より一層、空間に落ちつきが生まれます。ブラウン系のカラーは、「落ちつく」空間づくりの万能選手。落ちつきの欲しい空間に是非、取入れてみて下さい!

アズマ レイコ

プロフィール
アズマ レイコ / カラーコーディネーター

2003年に函館でカラーサロンをオープン。パーソナルカラー・パーソナルスタイル診断の他、色彩心理のセミナー、講座を開講。結婚後の転勤で、2007年から札幌での活動を始める。『HappyColorLife』主催。AFT1級カラーコーディネーター。2児の母。

イントロダクション
色彩の知識を、楽しく!わかりやすく!使える形で!お伝えすることをモットーにカラーコーディネーターとして活動しています。色彩は生活に密着した、生活を彩る要素です。このコラムでは、生活に役立つ色彩のマメ知識をお届けできればと思っています。楽しく賢く色彩のパワーを利用してみましょう!